ルークもベイダーもジンジャーブレッドに！ ILMが“焼き上げた”、甘く熱いスター・ウォーズ

銀河の運命を左右したあの名場面が、もしもジンジャーブレッドで作られていたら——。
そんな想像を形にした、心おどるホリデー作品が登場しました。

この冬、ルーク・スカイウォーカーが向き合うのは、お菓子でできたデス・スター。

Industrial Light & Magic（ILM）が制作したショートアニメ「The Gingerbread Death Star Crumbles」が、YouTubeチャンネル「Star Wars Kids」で公開されています。

『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の名シーン、デス・スターのトレンチ・ランを、全部ジンジャーブレッドで再現するという、ファンへの最高のプレゼントです。

ジンジャーブレッド版スター・ウォーズ
「The Gingerbread Death Star Crumbles」

舞台は『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』のクライマックス、デス・スターのトレンチ・ラン。ルークやベイダー、Xウイング、TIEファイターまで、すべてがジンジャーブレッドクッキーで作られています。

物語の流れやセリフは原作に沿いながら、映像表現は完全にお菓子の世界。Xウイングのエンジンはガムドロップ、ビーム表現はキャンディケーン風。

とくに目を引くのは、大胆にデフォルメされたキャラクターデザイン。威厳のあるベイダー卿も、丸みのあるクッキーの形になることで、どこか親しみやすい存在に変わっています。

見た目は可愛らしくても、構図やカメラワークは本格派。長年ILMが積み重ねてきた映像づくりの美学が、ジンジャーブレッドの世界にも自然に息づいています。

手作り感とCG技術の融合、ILMが仕掛ける甘い銀河の魔法

本作で特に注目したいのは、あえて完璧にしないという美学です。

アイシングの線は少しゆらぎ、クッキーの表面には焼きムラのような凹凸が残されています。これは表現の不足ではなく、手作りのお菓子らしさを大切にした意図的な演出です。

ILMのリアルタイム・プリンシパル・クリエイティブであるランディス・フィールズ氏も、「ジンジャーブレッドハウスは、そもそも完璧ではない。その不完全さこそが魅力」と語っています。

制作には、最新のゲームエンジン「Unreal Engine」が使われています。モーションキャプチャによって動かされるキャラクターたちは、どこかぎこちなく、それでいて温かみのある動きを見せます。

まるで誰かが作ったクッキー人形が、そっと動き出したような感覚。

高度な技術と素朴な表現が重なり合うことで、この作品ならではのやさしい魔法が生まれています。

次なる展開は「あみぐるみのマンダロリアン」？

このジンジャーブレッド短編は、実は「Star Wars Minis」シリーズの1作。2026年に向けて、Star Wars Kidsでは新作が順次公開予定。あわせて公開されているメイキング映像では、今後の広がりもさりげなく示されています。

次に控えているのは、なんと“あみぐるみ”の世界。

毛糸で作られたマンダロリアンとグローグー（ベビーヨーダ）が、どのような冒険を見せてくれるのか、今から期待が高まります。

クリエイティブ・ディレクターのランディス・フィールズ氏は、こうした取り組みを通じて、新しい世代の子供たちが「自分も何かを作ってみたい」という火を灯すきっかけになればと語っています。