AI技術で蘇るシェイクスピアの筆跡:「幻想図書館」で一般公開

「Agora a maior expressão de Shakespeare também tá numa BIC!」の画像
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ウィリアム・シェイクスピアの名作『ロミオとジュリエット』が、AI技術を駆使してシェイクスピアの筆跡を再現し、BICのボールペン「BIC クリスタル」を使って再執筆されました。

このプロジェクトは「Uma BIC, um livro: dois clássicos(一本のBIC、一本の本:二つのクラシック)」と題され、世界的な筆記具ブランドBICが創業75周年を記念して行ったユニークな試みです。

目次

AIでシェイクスピアの筆跡を復元:Stable Diffusionの活用

2025年に75周年を迎えるBIC クリスタルペン。その記念すべきアニバーサリーを祝うプロジェクトとして、「Uma BIC, um livro: dois clássicos」が始動しました。

Agora a maior expressão de Shakespeare também tá numa BIC!

このプロジェクトの鍵となったのは、人工知能による筆跡復元技術です。まず、シェイクスピアの現存する唯一の直筆原稿から筆跡の特徴を抽出し、そのデータを基にフォントを作成。AIツール「Stable Diffusion」を使用して文字の形状を分析し、「Adobe Illustrator」で細かな調整を加えました。

「Agora a maior expressão de Shakespeare também tá numa BIC!」の画像

最終的には、専門ソフト「Font Creator」を用いてデジタルフォントとして完成させました。

さらに、専門のカリグラフィー研究者が監修し、シェイクスピアの筆致を忠実に再現。完成したフォントを用いて、ロボットアームが212ページの『ロミオとジュリエット』を書き上げました

『ロミオとジュリエット』212ページをたった一本の「BIC クリスタル」で執筆

驚くべきことに、『ロミオとジュリエット』はわずか1本の「BIC クリスタル」で書き上げられました。

「Agora a maior expressão de Shakespeare também tá numa BIC!」の画像

BICのボールペンは「3km書ける」とされる耐久性を持ち、今回のプロジェクトはその性能を視覚的に証明するものとなりました。

約20日間をかけて執筆された212ページの『ロミオとジュリエット』では、インクが余るほどの余裕があり、BICの品質の高さを改めて示しました。このプロジェクトは、BICが掲げる「書くことの民主化」という理念を体現しており、すべての学生や書き手にとって身近な存在であることを強調しています。誰もが手にすることのできるツールとして、BICはその役割を果たしています。

制作されたうちの1冊は、「幻想図書館」で一般公開

このプロジェクトで制作された書籍は、限定2冊のみ製本され、ブラジルのアーティストAntonio Luvs氏によって表紙と挿絵が描かれました。そのうちの1冊は、リオデジャネイロにある王立ポルトガル図書館に寄贈され、文化遺産として一般の人々が閲覧できるようになっています。

「Agora a maior expressão de Shakespeare também tá numa BIC!」の画像

もう1冊は、サンパウロで行われたイベントでメディア向けに発表され、BICの取り組みが広く知られることとなりました。

BICは今後もこのプロジェクトを世界的に展開し、他の作家や作品の再執筆にも挑戦していく意向を示しています。

王立ポルトガル図書館は、その幻想的なデザインから日本で「幻想図書館」として知られています

さいごに

今回のプロジェクトは、単に名作を書き直すだけでなく、AI技術とロボット技術を融合させることで、文化遺産としての価値を生み出した点で非常に画期的な試みです。

今後、この技術がさらに発展し、他の名作や作家たちの筆跡が復元される日が来るかもしれません。BICの「書くことの民主化」を伝えるこの試みが、どのように広がっていくのか注目です。

先日、スヌープ・ドッグとドクター・ドレーが、AI技術を活用して故フランク・シナトラとサミー・デイヴィスJr.と共演するStill G.I.Nの広告を紹介しました。

また、ライカが誕生から100周年を祝うユニークなコレクションを紹介しました。

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