バレンタインデーが近づくと、恋人たちのための特別な日として盛り上がりますが、この日を「何もしない」ことを支持するユニークなキャンペーンが登場しました。
チョコレートブランド「キャドバリー5スター」が展開する「Destroy Valentine’s Day」キャンペーンは、意外な秘密兵器「おじさん」を使って、今年のバレンタインデーを「最後のバレンタインデー」にしようという試みです。
キャドバリー5スターは、全てのマーケティング予算をおじさんたちに投じ、彼らがバレンタインデーを支配することで、若者たちの関心を失わせることを目指しています。
キャドバリー5スターが仕掛ける、バレンタイン破壊計画
このキャンペーンは、広告代理店オグルヴィによって考案されました。
Destroy Valentine’s Day | Cadbury 5 Star
キャンペーンの中でデータサイエンティストが登場し、過去の若者トレンドがどのようにして終焉を迎えたのかを解説します。
実は、若者たちが好むトレンドは、年配の人々が参加すると急速に冷めてしまうというパターンが存在します。
細身のジーンズやYOLO（You Only Live Once）といったスラング、さらにはSNSの流行などがその典型例です。
キャドバリー5スターはこの現象を応用し、「おじさんがバレンタインを乗っ取れば、若者は興味を失うのでは？」という大胆な仮説を打ち立てました。
全予算をおじさんデート支援に！キャドバリー5スターの大胆な投資
この仮説を検証するために、キャドバリー5スターはバレンタインのマーケティング予算をすべて“おじさん”のデート支援に投入します。
具体的には、以下の施策を展開しています。
- おじさんにデート費用を提供
- SNSでおじさんのラブラブな様子を積極的に発信
- 参加者は特設サイトで「おじさん」を推薦できる
これにより、おじさんたちがバレンタインの主役となり、若者が気まずく感じて離れていくことを狙っています。
キャドバリー5スターは、バレンタインデーに対するプレッシャーを軽減し、「何もしない」ことの楽しさを提唱しています。バレンタインデーはロマンチックな演出が求められる日ですが、全ての人にとってそれが楽しいわけではありません。このキャンペーンは、そんな人々に向けた軽やかで楽しいアプローチです。
「キャドバリー」ブランドを展開するモンデリーズ・インディアのマーケティング担当副社長、Nitin Saini氏は次のように述べています。
私たちは、バレンタインデーを破壊するために、ロマンスとはあまり縁のないおじさんたちの力を借りて、気楽で楽しいアプローチをしたいと考えました。
おじさんを推薦して報酬ゲット！参加者全員が楽しめるキャンペーン
このキャンペーンでは、SNSを通じておじさんたちのデートの様子を広めるだけでなく、一般の人々も参加できる仕組みが用意されています。参加者は、知っているおじさんを推薦することができ、推薦されたおじさんには「デート手当」が支給されます。さらに、推薦者にも報酬が与えられる仕組みが整っています。
このように、キャドバリー5スターはバレンタインデーの常識を覆すだけでなく、参加者全員が楽しめるような仕組みを作り上げています。参加者は、特設サイト「destroyvalentinesday.com」を訪れることで、簡単におじさんを推薦できるため、誰でも気軽にこのユニークなキャンペーンに参加することが可能です。
(画像出典: Destroy Valentine’s Day )
さいごに
キャドバリー5スターの「Destroy Valentine’s Day」キャンペーンは、逆転の発想を活かした挑戦的なプロモーションです。
おじさんたちを活用することで、若者の興味をそぐというユーモラスな戦略が独創的です。
はたして、この試みが成功し、バレンタインが消滅する日が来るのでしょうか？
先日、米国ビールブランド「ミケロブウルトラ」の、名優ウィレム・デフォーとキャサリン・オハラを起用したコマーシャル「The ULTRA Hustle」を紹介しました。この広告では、二人がピクルボールの勝負でビールを「まきあげ」ます。
また、米国セブン-イレブンの応援するフットボールチームが敗れたファンに無料のピザを提供する「エモーショナルサポートピザ」キャンペーンを紹介しました。
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