

「ローマ帝国にもマクドナルドがあった?」
そんな奇想天外な光景が、イタリア・ローマの中心で現実になりました。歴史的なショッピングモール「ガッレリア・アルベルト・ソルディ」に登場したのは、驚きの古代風のモザイク。そこには、古代ローマの人々がハンバーガーとポテトを楽しむ様子が描かれています。
最初は「新種の遺跡発見か!?」と騒然となったこの出来事ですが、実はマクドナルドが仕掛けた大胆でユニークな広告キャンペーンでした。
18,000枚以上のタイルで描かれたマクドナルドの宴
今回の話題の発端は、ローマ中心部で「発掘」された古代風のモザイクです。
“Archaeological dig”, Rome pic.twitter.com/ikmFE4h7un
— John McCafferty (@jdmccafferty) May 31, 2025
“「考古学的発掘」, ローマ”
一見すると考古学的な大発見に見えるこの作品には、トーガ(古代ローマ風の衣)をまとった人物たちがマクドナルドのハンバーガーやポテトを囲んで宴を開いている様子が描かれています。赤と黄色のマクドナルドのカラーリングや、紙カップ、ナゲット、さらにはさりげなくゴールデンアーチ(マクドナルドのロゴ)まで、細部に至るまで緻密に再現されています。
しかし、実はこれ、マクドナルドが2025年のローマ・ジュビレオ(聖年)に合わせて仕掛けた体験型広告です。
中央には、ラテン語で「Gaudeat Classicis」(クラシックを楽しもう)という文字があり、これは英語の広告キャッチコピー「Enjoy the Classics」のラテン語訳です。
古代と現代、そしてファーストフードという“クラシック”を融合させたこのインスタレーションは、無料で公開され、考古学風の演出が施されています。10人のモザイク職人が手作業で18,000枚以上のタイルを敷き詰め、リアルな“発掘風景”を再現したその精巧さは、まさに「本物」と見間違うほどの出来栄えです。
「恥ずべき広告」「見事な職人技」賛否が分かれるマクドナルドのモザイク広告
しかし、このキャンペーンには、賛否が大きく分かれています。
”⚜️ ローマの新しいモザイク広告 みんなが嫌っている 🇮🇹⬇️”
イタリアの文化系メディア『Artribune』は、「グロテスクで下品」と酷評し、「恥ずべき広告活動」とまで断じています。
一方で、SNSでは「見事な職人技」や「視覚的にインパクトがある」と擁護する声も多く、このユニークなアプローチが話題を呼んでいるのは間違いありません。
関連情報
マクドナルドは、この作品を「ローマへのオマージュ」と位置づけています。古代ローマの“ファストフード”である「テルモポリウム(温食堂)」と現代のマクドナルドを重ね合わせることで、「過去と現在がつながる瞬間」を演出し、時代を超えて変わらない“食と人のつながり”を表現したいという狙いが込められています。
さらに、このキャンペーンに合わせて、ローマ市内限定の「Welcome to Roma」メニューも販売中です。観光客を温かく迎える味として、マクドナルド版の“クラシック”を楽しんでもらう意図が見えます。
ユーモアと歴史を融合させることで、賛否両論を巻き起こしながらも大きな話題を生んだこの広告は、歴史や文化を活用した広告の在り方を再考するきっかけになるかもしれません。
( 画像出典: McDonald’s Italia – Instagram )
( 情報出典: RomaToday )
( 情報出典: Creative Bloq )
歴史を取り入れたキャンペーンの話題では、スティッチがフィレンツェのアカデミア美術館に登場した特別企画と、エルヴィスの聖地グレイスランドを訪れた話題のプロモーションもご紹介しました。ミケランジェロの『ダビデ像』に触発されて誕生した「トーガ姿のスティッチ像」は、6月20日まで美術館で公開中です。


また、Airbnbのコロッセオで剣闘士を体験できる「グラディエーター」体験ツアーも紹介しました。


芸術を取り入れたアイテムに関連する話題では、アメリカの「バンドエイド」がメトロポリタン美術館と提携し、葛飾北斎とウィリアム・モリスのデザインを取り入れた救急用品コレクションも紹介しました。


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