

ゲームで「命を失う」のは日常茶飯事ですが、その“失う”が誰かの“生”につながるとしたらどうでしょうか?
2025年8月13日、国際臓器提供デーに合わせてベルギーが発表したのは、「Virtual Donors(バーチャル・ドナーズ)」という斬新なキャンペーン。
『マインクラフト』『バルダーズ・ゲート3』『フォートナイト』など、人気のマルチプレイヤーゲームに導入できるこの新MOD(ゲームの拡張機能ファイル)は、「ゲームで命を落とす」その瞬間を、「現実の命を救うアクション」に変えてしまうという、画期的な試みです。
自分の“敗北”が、仲間に「8UP」を贈る新MOD!? 「Virtual Donors」
このプロジェクトの最大の特徴は、臓器提供登録を行うことで、ゲーム内で特別なMODを使用できる点です。
プレイヤーが現実世界で臓器提供に登録すると、ゲーム内では「キャラクターが倒れた際にチームに8つの命を配布できる」特典が解放されます。これは、1人の臓器提供者が最大8人の命を救えるという事実を象徴的に表現しています。


ゲームの敗北というネガティブな瞬間が、仲間を助けるというポジティブな行動に変わる、まさにゲームならではの斬新な発想です。


『マインクラフト』『バルダーズ・ゲート3』『フォートナイト』などに対応
新MODで「ピクセルの中の命」から「現実の命」へ
「ゲーマーは毎日のように命を失っていますが、それはピクセルの中の話です。私たちは、その馴染み深い瞬間を画面を超えて意味のあるものに変えたいと考えました」と語るのは、ベルギーの非営利団体Re-born to be Alive(リボーン・トゥ・ビー・アライブ)の創設者、Stephanie Keustermans 氏。
このキャンペーンでは、単なる広告ではなく、実際のゲームプレイに「臓器提供」のメッセージを組み込む方法を採用しています。啓発ポスターや堅苦しい説明ではなく、「キャラクターが倒れたら仲間に命を与える」というシンプルで直感的な表現が特徴です。
たとえば、フォートナイトで味方のリスポーン時に“8ライフ追加”される演出があれば、そのインパクトは抜群です。


このキャンペーンは、ベルギーの人気ストリーマーたちによっても広められています。ストリーマーのRigor(Pieter Ongena)さんは、自身の父親が臓器提供を受けて5年間生き延びた経験を持っています。「ゲームでは無料でエクストラライフを得られますが、人生では誰かがそれを与えなければなりません」と彼は語り、臓器提供の重要性を訴えています。
関連情報
ベルギーはもともと「オプトアウト制度」(断らない限りドナーになる制度)を採用していますが、家族が提供を拒否するケースもあるため、明確な意思表示としての登録が重要です。
「Virtual Donors」の特設サイトでは、誰でもドナー登録が可能で、登録後はMODをダウンロードしてすぐにゲーム内で使用できます。
このMODはベルギー限定ではなく、世界中のモッダーたちに向けて、自分たちの好きなゲームにも“命をつなぐ仕組み”を組み込んでほしいという呼びかけも行われています。
「命を落とす」ではなく「命を託す」。そんなポジティブな“ゲームオーバー”を、あなたも体験してみませんか?
ドナー登録やMODの詳細は、以下のリンクからチェックできます。
( 情報・文・画像出典: AKQA )
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