

インド・ムンバイのローカルトレインでは、すべての有効な切符が宝くじのチケットに変わるキャンペーン「Lucky Yatra」が2025年春に始まりました。
この取り組みにより、乗客は切符を購入することで現金報酬を得るチャンスを手に入れ、ワクワクする体験を楽しむことができます。
インド鉄道、無賃乗車対策にポジティブなアプローチ
インドのムンバイでは、1日あたり約750万人がローカル列車を利用しています。


( 画像出典: FCB India – YouTube )
しかし、その一方で長年の課題となっているのが「無賃乗車」です。チェック体制には限界があり、鉄道側は大きな収益損失を被っています。
そこで考え出されたのが、懲罰的なアプローチではなく、乗客が自発的に切符を買いたくなる仕組み「Lucky Yatra」です。
「Lucky Yatra」で切符購入が賞金のチャンスに
インドでは、年間で280億ドル(約4兆円)以上が宝くじに費やされています。この国民的な“宝くじ好き”という性質に注目し、インド鉄道は切符を宝くじに見立てたアイデアを採用しました。具体的には、「切符の番号=抽選番号」とし、現金が当たるロトのような仕組みを導入したのです。


( 画像出典: FCB India – YouTube )
キャンペーン「Lucky Yatra」では、切符を購入することがそのまま賞金のチャンスにつながります。
- 毎日1人に1万ルピー(約1.7万円)
- 毎週1人に5万ルピー(約8.5万円)
が当たるチャンスが、すべての正規チケット購入者に与えられます。
参加方法は非常にシンプルです。切符に印字された番号をキャンペーンサイト(luckyyatra.com)でチェックするだけで、誰でもすぐに当選確認ができます。この仕組みにより、乗客は切符を購入することに対してより積極的になることが期待されています。
関連情報
この取り組みは、鉄道会社による一方的な取り締まりではなく、乗客との「共創」的な関係づくりに重きを置いています。キャンペーン開始後、「切符を買うこと」がちょっとしたエンターテインメントに変わり、SNSやラジオでも話題となりました。通勤の中に「当たるかも」というドキドキが生まれ、自然と正規乗車が促されるようになったのです。
行動経済学の好例ともいえるアプローチで、「買わないと損」ではなく、「買うと得」になる設計が秀逸です。切符=夢のチケットという発想は、交通インフラに新しい価値とワクワクをもたらしています。
( 情報出典: Sunny Babvani / LinkedIn )
インドで展開されたユニークなキャンペーンでは、バレンタインのマーケティング予算をすべて“おじさん”のデート支援に投入し、バレンタインデーを「終わらせる」キャドバリー5スターの「Destroy Valentine’s Day」キャンペーンも紹介しました。
このキャンペーンでは、知っているおじさんを推薦することができ、推薦されたおじさんには「デート手当」が支給されます。さらに、推薦者も報酬が与えられます。


また、Tinder Indiaが展開した、元恋人との思い出を捨てることで心の整理を手助けする「感情的荷物処理トラック」も紹介しました。


ほかにも、インドのスナックブランド「Too Yumm!」がクリケット大会でのスナック販売禁止を逆手に取り、食べられる応援ボードを導入した「Too Yumm! To Cheer」キャンペーンも紹介しました。


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