Netflix (ネットフリックス)は、最新ドラマ『トキシック・タウン』のプロモーションで、画期的な広告手法を採用しました。
イギリス各地に設置されたデジタル広告は、リアルタイムの大気汚染データに応じて、まるで視界を奪うスモッグのようにポスターの視認性が低下します。このユニークな演出は、ドラマのテーマである「大気汚染による健康被害」を視覚的に伝える巧妙な方法となっています。
このキャンペーンは、視聴者に強いメッセージを届け、社会的な意識を喚起することを目的としています。
Netflix『トキシック・タウン』は実際の事件を描いた衝撃のドラマ
Netflixで2月27日に公開された『トキシック・タウン』は、実際に起きたコービーの大気汚染事件を元にした全4話のドラマシリーズです。1980年代、スチール工場から運び出された有毒廃棄物が町全体を汚染し、多くの子供たちが先天性障がいを抱えて生まれるという悲劇が描かれています。
このドラマでは、子どもたちのために立ち上がった母親たちの奮闘を中心に、環境汚染の問題に光を当てています。
主演は、人気ドラマ「ドクター・フー」で知られるジョディ・ウィッテカー。彼女をはじめとする実力派キャストが、重いテーマをリアルに演じ、視聴者に強いメッセージを届けます。
大気汚染を視覚化する『トキシック・タウン』のデジタル広告
Netflixは、このドラマの社会的なメッセージを伝えるため、広告そのものを汚染の象徴としました。このキャンペーンでは、天気予報を提供するアメリカの気象情報企業AccuWeatherのデータを活用し、リアルタイムで空気質を表示するデジタル広告が設置されています。
Today only, Toxic Town billboards are using real time data to show what air quality is like across the country.
— Netflix UK & Ireland (@NetflixUK) March 4, 2025
If the air quality is “good” you will see a full poster for the series. If the air quality is “poor”, we are sacrificing our billboards to be covered in a cloud of… pic.twitter.com/7qmJHLmLDm
ロンドンのハマースミス・ハイストリートを含む5つの都市に設置されたデジタル広告は、空気質が「良好」な場合、広告がはっきりと視認できます。

しかし、空気質が「悪化」すると、広告は白い煙で覆われてしまいます。

このユニークな手法により、通行人は自分の街の空気の質を直接体感することができます。
このキャンペーンは、「目に見えないものこそが最も危険である」という環境問題の本質を、インパクトのある形で訴えかけています。視覚的な体験を通じて、視聴者に深い理解を促し、環境への関心を高めることを目指しています。
関連情報
Netflixは、このキャンペーンを通じて、視聴者に環境問題について考えるきっかけを提供しています。空気質が悪化することで広告が見えなくなるというアイデアは、視覚的に環境の現状を訴える強力なメッセージとなっています。
先日、ベネディクト・カンバーバッチ主演で、英国の年金基金が森林破壊を助長する企業に多額の投資を行っている現状を風刺的に描いた広告「Benedict Lumberjack」を紹介しました。

また、インドの食品メーカー、ブリタニアが発表した「Nature Shapes Britannia」キャンペーンのユニークな屋外広告デザインを紹介しました。

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